Nikon   F   歴史に裏付けされた名機

15年間販売された実績
発売は1959年6月
1950年代後半に、ぞくぞくとペンタプリズム搭載の一眼レフが登場した。その時期の後半に登場したニコンF。最初から完成されたカメラであったと多くのプロカメラマンが物語っているように、交換可能ファインダ−、クイックリタ−ンミラ−、完全自動絞り、外付露出計、モ−ドラ装着とすべての最新技術が発売当初から備わっていた。小改良はあったものの、15年間不変の実績はカメラ史上に残る金字塔をしっかりと打ち立てている。

このニコンFアイレベルを基本に、15年の間にファインダ−交換により次のモデルが生まれている。

ニコンFフォトミック     (外光式cds露出計内臓)
ニコンFフォトミックT    (cdsをTTLにしたもの、平均測光)
ニコンFフォトミックTN   (cdsをTTLにしたもの、中央部重点測光)
ニコンFフォトミックFTN  (cdsをTTLにしたもの、中央部重点測光、開放F値情報を簡略化)

このカメラなくして日本の一眼レフは語れないというほど、プロに使われ、かつ信頼されていた。
ボディはニコンの距離計カメラSを基本にペンタプリズムを乗せたという感じである。シャッタ−ボタンが
ボディの後ろよりにあり、今考えれば使いにくいが、それさえも慣れさせてしまったということである。

このカメラは当時のプロに使われたというが、ある説によればこの時期、信頼に足るカメラは他になかったというのも援護射撃になっている。この時期アマチュアはペンタックス、プロはニコンという時代である。ここまで考えるとキヤノンは何をやっていたのと思う人が多いと思う。この時期のキヤノンはキヤノンフレックスの時代である。しかし、キャノネット等でアマチュア向けのイメ−ジの強くなったキヤノンのカメラをプロは嫌っていたようである。キヤノンが打倒ニコンという目的のために作られたプロ用一眼レフF−1を発売するのは1971年、ここよりニコン対キヤノンの対決が始まるが、それまでの12年間はプロ用一眼レフはニコンの独占状態であった。そしてキヤノンF−1の発売と時期を同じくしてニコンはF2の時代へと突入する。

みのかんのF
正直言ってニコンよりキヤノンが好きである。それは何故だろうか?いろいろ考えてみるが特にこれといった理由も見つからない。キヤノンのほうが縁が深かったというほかない。僕のFはファインダ−プリズムの一部に銀浮きがありそれでずいぶん安く手に入れた。アイレベルを分解し、はがれたところをアルミテ−プで貼ってごまかしてある。これでよく見なければわからない程度になった。
FよりもF2のほうが当然出番は多く、いってみればFは飾り物程度である。もちろん現役で使えるし問題はないが、やはり持ち出ことは少ない。今となっては、かなり趣味性の高いカメラである。露出が勘でわかる人でないと使えないであろうが、露出計で測りながら撮り歩く散歩もまたいいものである。問題は僕の周りにそういう時間が流れていない事が一番問題である。


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